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20年分のAmazonと楽天の購入履歴を全部書き出したとき、14年間ひとつのメーカーだけ切れていないことに気づいた。Ankerである。
気になって充電まわりだけ抜き出したら、モバイルバッテリーと充電器で9台あった。2012年から2023年まで、11年分。そのうち7台が★5で、★3が1台、★2と★1が1台ずつ。
この記事は、その9台を時系列で並べたものだ。うまくいった話より、★1と★2をつけた2台の話のほうが役に立つと思うので、そこは厚めに書く。
| 年月 | 製品 | 評価 |
|---|---|---|
| 2012年11月 | Anker Astro PowerBank 5600mAh | ★5 |
| 2015年7月 | Aukey AIPower 50W 6ポート充電器 | ★3 |
| 2016年12月 | Anker PowerCore Speed 10000 QC | ★5 |
| 2018年7月 | Anker PowerCore Fusion 5000 | ★5 |
| 2019年2月 | Anker PowerWave 10 Stand(ワイヤレス) | ★2 |
| 2020年12月 | Anker PowerWave 7.5 Stand(ワイヤレス) | ★1 |
| 2021年6月 | Anker PowerPort III Nano 20W | ★5 |
| 2021年12月 | Anker PowerCore III Fusion 5000 | ★5 |
| 2023年5月 | エレコム モバイルバッテリー 10000mAh | ★5 |
2012年:ここから始まった
最初の一台がAnker Astro PowerBank 5600mAh。まだモバイルバッテリーを誰もが持っている時代ではなかった。スマートフォンが普及し始めて電池の持ちが問題になり、各自が対策を考えていた頃だ。
5600mAhは今の基準では控えめだが、当時の端末なら1〜2回は充電できた。不具合は一つもなく、役目を終えるまで働いた。壊れて捨てたというより、使い切ったという感覚に近い。
そして振り返ると、このメーカーのものを買うようになったのはここからだ。一つ買って問題がなければ次も同じところを選ぶ。そうすると「選ぶ」という作業そのものが減っていく。11年後の今もそれが続いている。
2015年:6口にまとめたかったが、認識しないことがあった
充電するものが増えてコンセントが足りなくなり、Aukeyの6ポート充電器を買った。一台で6口あればコンセント一つで全部を賄える。机まわりの配線を裏でまとめている自分には合う発想だった。
置き場所が決まるという副次効果もあった。ここに置けば充電される、という状態を作れる。充電のたびにコンセントを探すのは面倒だし、そのうち忘れる。
ただ、挿しても充電が始まらないことが時々あった。抜き差しし直すと認識することも、別の口に挿すと動くこともある。原因は切り分けられなかった。
この種の不具合が厄介なのはその場では気づかないことだ。寝る前に挿して、朝に減ったままだと分かる。その時点で手の打ちようがない。充電は意識せずに済んでいることが価値なので、確認が必要になった時点で目的が半分損なわれる。
まったく使えないわけではなく、実際しばらく使っていた。頻度も高くない。それでも★3止まりにしたのは、確実に動かないと困る種類の製品だからだ。
2016〜2018年:置いておいても減らない、という価値
PowerCore Speed 10000で一番評価しているのは容量でも速度でもなく、しばらく放置しても残量が減っていなかったことだ。
モバイルバッテリーは毎日使うものではない。旅行のとき、外出が長くなるとき。月に数回という人も多いはずだ。そうすると問題になるのが、置いている間に減っていくことである。使おうと思ったときに空なら、どれだけ大容量でも意味がない。
引き出しから出してそのまま持ち出せる。「出かける前にまず充電しなければ」という手順自体が消える。これは想像以上に効いた。
2018年のPowerCore Fusion 5000は、充電器とモバイルバッテリーが一体になった製品。コンセントに直接挿せて充電器として使え、そのまま持ち出せばバッテリーになる。鞄に入れるものが一つ減る。
効いたのは荷物より判断のほうだった。出かける前に「今日はコンセントがあるだろうか」と考えなくて済む。とりあえずこれとケーブルを入れておけばどちらでも対応できる。
本体に傷が増えて表面がくたびれるまで何年も使い、それでも壊れなかった。実は今も捨てられずに持っている。使わなくなった理由は故障ではなく、自分の機器の端子がUSB-Cに移ったからだ。長く使える製品ほど、こういう終わり方をする。
2019年と2020年:ワイヤレス充電に2台つぎ込んだ話
ここが本題だ。置くだけで充電できるタイプを2台買って、2台とも自分には合わなかった。
置くだけ、が成立していなかった
ワイヤレス充電の利点はケーブルを挿す手間がなくなることだ。その一点のために買った。
ところが実際には置き方にコツがあった。少しずれると充電が始まらない。位置を合わせて、置いたあとに確認する必要が出てくる。これではケーブルを挿すのとどちらが楽なのか分からない。ケーブルなら、挿さっていれば確実に充電される。
立てかけるタイプは表面が滑る問題もあった。置いた直後は充電が始まっていても、少しずつずり落ちて位置から外れ、しばらくして見たら止まっている。
そして朝起きたら充電されていない。その時点で手の打ちようがない。
2台目で、方式そのものだと分かった
1台目のあとも、製品の個体差か機種選びの問題かもしれないと考えていた。方式が悪いのではなく、選んだものが合わなかっただけかもしれない。そう思ってもう一台試した。
結果は同じだった。位置が合わないと充電されない、置き方に気を使う。2台とも同じ傾向だったということは、個体や機種ではなく方式の性格だと理解した。
一台だけだと「たまたまかもしれない」という疑いが残る。2台目で同じことが起きて、ようやく見当がついた。買った金額のぶんは判断材料として回収できたと思っている。
磁石で位置が決まる方式が答えだった
その後、磁石で位置が決まるタイプに移った。これが自分にとっての答えだった。
近づけると勝手に吸い付いて位置が合う。人間が合わせるのではなく、機構の側が合わせてくれる。同じワイヤレス充電でも、これだけで別の道具になる。ずり落ちる心配もない。
突き詰めると、問題は位置合わせを人間がやらなければならない点だった。手間をなくすための道具に新しい手間が生まれるなら、目的が達成されていない。減らしたはずの手間が別の形で戻ってきているだけだ。
発熱も気になった。ワイヤレスはケーブルより効率が落ちる分、熱が出やすいとは聞いていた。ただ実際に触って温かいと感じると、電池に良くないのではないかという心配が出る。スマートフォンの電池は交換が簡単ではないので、そこを削ってまで手間を減らしたいとは思わなかった。
公平に書いておくと、これが不良だとは考えていない。同じ製品を問題なく使っている人もいるはずだし、機種やケースとの組み合わせで結果が変わる可能性もある。分からないことは分からないと書いておく。
2021年以降:小ささと、初代の後継
PowerPort III Nano 20Wは、とにかく小さいのが利点だった。
充電器はコンセントに挿しっぱなしにすることが多い。大きいと隣の口を潰す。表記上は二口でも実際には一つしか使えない、ということが起きる。小さければその問題が起きない。
持ち歩くときも同じで、大きい充電器は「今日は必要だろうか」と考えることになる。小さければとりあえず入れておけばいい。判断が発生しないこと自体が価値だ。
同じ年にPowerCore III Fusion 5000も買っている。2018年に買ったFusionの後継機だ。同じ考え方の製品を世代を跨いで選んでいるということが、そのまま評価になっている。
2023年のエレコム10000mAhは、初めてAnker以外を選んだモバイルバッテリーだった。特別な機能はないが、容量と大きさの釣り合いが取れていて、必要なときに動く。バッテリーに求めるものはそれで足りる。
11年9台で固まった、選ぶときの基準
1. 持ち歩ける大きさに収まっているか。容量が大きいほど安心だが、そのぶん重くなる。そして重いものは持ち出さなくなる。家に置いてあるバッテリーは一度も役に立たない。多少容量を削っても、持ち歩ける大きさのほうが実際には価値がある。
2. 置いておいても減らないか。使う頻度が低い道具ほどここが効く。いざ持ち出すときに入っているかどうかが全てで、容量でも速度でもない。
3. 中身が見えないものはメーカーで選ぶ。バッテリーは分解して確かめられない。極端に安いものを選んで発熱や膨張を心配しながら使うくらいなら、多少高くても名前の通ったところを選ぶ。性能の話ではなく、余計な心配をしないで済むという話だ。
4. 目的に対して過剰なものを買わない。出力を上げるほど本体は高く大きくなる。スマートフォン用と割り切れば20Wで足りる。用途を絞ると無駄が出ない。
5. 確認が必要になった時点で負け。これが★3と★1をつけた2種類に共通する。挿したあとに確認する、置いたあとに確認する。道具の価値は考えなくて済むことにあると思っているので、その基準では満点にならない。
まとめ
11年で9台買って、★5が7台。打率としては悪くない。ただ覚えているのは★1と★2をつけた2台のほうだ。
ワイヤレス充電に2台つぎ込んだのは、金額としては無駄だったかもしれない。ただ「方式そのものが自分に合わない」と確かめられたことで、その後は磁石式に一直線で移れた。1台では分からず、2台目で分かることがある。
20年925件分の購入履歴はデータページにまとめてある。